量産現場だより

実体験に基づく技術的なアウトプット。たまに私生活。

今すぐ起業してみよう(読書感想文)

前置き

この記事は「一万円起業(原題:THE$100 STARTUP)」という本を筆者が読み、メモと所感などを記したものです。

 

引用元

タイトル:一万円起業(原題:THE$100 STARTUP)

作者:CHRIS GUILLEBEAU

訳者:本田直之

出版社:飛鳥新社

 

はじめに

世界中のマイクロビジネス規模の個人起業家を焦点に、とにかく実例を集めた一冊となります。中にはあまり真似できない事業を起こしている方もいますが、ほとんどは日常生活や仕事での経験を活かしています。こんなのでビジネスになるの!?と思うようなケースが多く、起業という高そうなハードルを低くしてくれます。しかも本書作者が取ったアンケートでは36%の起業家たちはたった100ドル(1万円)でビジネスを成功させています。以下では重要だと思ったポイントを列挙します。

 

ビジネスの三原則

  • 商品またはサービス(何を売るのか)
  • 顧客(お金を払ってくれる人々)
  • 集金方法(商品)

 

自分を再発見せよ

起業といえば「ベンチャー」や「イノベーション」などの華やかなキーワードを(少なくとも筆者は)連想しがちですが、本質を突けばどれも○○を良くしたい!というアイデアをもとに行動して価値を出しています。

イデアは個人の経験に依存し、行動は個人の能力に依存するので、100人集めば100種の異なるビジネスが誕生するはずです。起業なんて無理だよと最初から敬遠せず、自分には何ができるのかを再考しましょう。きっと何かが見つかるはずです。

 

起業は超簡単

本書によると、ほとんどの起業家は起業しているつもりすらありませんでした。たまたま手作りアクセサリが売れたから規模拡大してみた、などです。あなたがやっている趣味、健康法、良い習慣など、なんでも起業に繋がります。アルバイトや小遣い稼ぎの延長と考えてもまったく問題ありません。もちろん法人化する必要もありません。

 

ニーズを捉えよ

どんなに良い(と思っている)商品やサービスを作っても、使ってくれる人がいなければただの自己満足です。如何にニーズを獲得できるかがビジネスの肝であり、ニーズが明白な開発ではモチベーションも上がります。

本書で大変面白かった例を挙げると、ある情報誌を画策している起業家がおり、まだ商品としての本がまったく完成していないにも関わらず、あたかも完成しているかの広告を先に打ち出しました。そして広告を見て連絡してきた顧客たちに「現在は当情報誌のバージョン2を制作しています。少々お待ちいただければそちらを送付します」と言いました。顧客たちは運良くも全員「待つ」と回答したので、起業家の彼は一か月頑張って本を仕上げました。なんともスリリングなビジネスですが、ニーズを先取りできれば失敗することは少ないといえるでしょう。

 

実績を作れ

自分が開発した商品が本当に価値があるのか、喜んでもらえるのか、それは顧客に使って貰わないと分かりません。自分の納得がいくまで商品を磨き上げるよりかは、簡素な作りでも顧客(もしくは顧客になりえる人)に試してもらい、フィードバックをもらって改善したほうが遥かに良い商品に繋がります。そして顧客に認められたら、晴れてビジネスの成立です。実はこの0から1を実現するのが一番大変ですが、1さえあれば10も100も難しくありません。

これに関しては会社内のプロジェクト運営においてもまったく同じと感じます。プロジェクトで商品やサービスを開発する際に、QCDだの、実現性だの、机上の空論を展開していくよりかは、先に導入先にニーズをヒアリングして、簡易的なプロトタイプを試してもらい、高評価の実績をもらってからプロジェクト報告したほうが遥かに説得力があります。プロジェクト規模や会社方針などにより実現困難な場合もありますが。

  

今すぐ行動をしろ

自分の起業を家族や友人に打ち明けて相談する人はたくさんいると思いますし、中には反対の声も多々あるでしょう。ビジネスの新規性だの、競争だの、利益だの、様々な観点から諭されるかもしれませんが、どれも不確実性を持っており、結局のところやってみないと誰にも分かりません。

自分を信じて一歩を踏み出せば、必ず何かが変わります。失敗しても数万円の損失だけ、と言いたいところですが、その失敗経験の価値は遥かに失った金銭価値を凌駕するでしょう。

 

最後に

本書はこれから何か新しいビジネスを始めたい方に非常に役に立ちます。膨大な実経験をまとめた本は抽象的なビジネスノウハウ本よりもかなり分かりやすく、共感が得られると思います。

本書では1から100にするためのノウハウと実例も記していますので、興味がある方はぜひ本書を一読してください。